朝起きたら――なんて作り話の中じゃ珍しくもないだろうけど、
実際、こんなことが起きたら、普通驚くと思うんですけど？

僕と、尚樹さんが動物になってた…なんてこと…。

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ペロッ
ヒヤッとした感触にビックリして、僕は慌てて飛び起きた。
「にゃんっ！」
は？　今、僕、何て言った？
「起きたか？　祐介」
ふかふかの毛皮に包まれた感触にビックリすると…
「あ…尚樹…さん？」
「ああ、おはよ」
「お早うございます。…って、え？」
そこにいたのは…茶色と黒の綺麗な毛並みのシェパード。
いかにも警察犬とかにふさわしい、貫禄と風格をもった犬で…
…そう、見まごうことなく「犬」だ。
そして僕の方は、典型的なアメリカン・ショートヘアー。
シルバーの縞模様に金眼ってやつみたい。

「科学的根拠はわからんが、どうやら俺は犬で祐介は猫になったらしいな」
「はぁ〜そうですか…って、え？」
「心配するな。種族の違いなど大したことじゃない」
…そういう問題じゃないと思うんですけど？
「それに、猫になっても祐介は可愛いしなｖ」
といいながら巧に耳の辺りや喉をぺろりと舐められて、
自然とゴロゴロと喉が鳴ってしまう。
「やっ…それどころじゃないんじゃないですか？」
「ん…でも、どう考えても現実的じゃないしな。
そういうことは考えるだけ時間の無駄だ」
それは言えてるかも知れないけど…でも、やっぱり…

「まぁ、もう一眠りしたら元に戻ってるかも知れないぞ」
「…ホントですか？」
「モノは試しだな」
そういうなり尚樹さんは僕を押さえつけて――え？

「優しくするから、大人しくしろよ？」
「え？　ええっー!?」

何になっても尚樹に言いくるめられる祐介で、
勿論、一眠り（？）するハメになったのは言うまでもない。

「尚樹さんの嘘つきーっ！　戻ってないじゃないですか！」
「…1回や2回じゃダメってコトだな。戻るまでお泊り決定な♪」
「――///！」