『 ネコとネコ 』

幸洋&郁巳

朝起きたら――なんて作り話の中じゃ珍しくもないだろうけど、
実際、こんなことが起きたら…笑って誤魔化してもいい?

俺と、幸洋が動物になっていたなんて、誰が信じるよ?

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「…ま、なったものは仕方がないな」
暫く絶句していた俺と幸洋だけど、結局落ち着くところは一緒だわ。
「そうだね。少なくとも猫同士だし。二人ともが一緒なら問題ないよね」
「そういうことだな」
…いや、ちょっと違う気もするけど――
ま、幸洋が気にしないならそれでもいいか。

朝、眼が覚めたら、何故か二人とも猫になっていて。
俺は尻尾と額に黒が入ったブルーアイのジャパニーズ。
幸洋のほうはブルーグレーの毛並みにオレンジアイのシャルトリュー。
確かに性格はネコ型だっていわれてるけど、
ここまで代わっちゃうと…ちょっと問題かも?

「でもさ、この後どーすんの? 俺、学校に行けないし、
幸洋も仕事にいけないよね?」
ま、試験が終わった後だから、俺のほうは多少サボっても問題ないけど。
でも、店を任されてる幸洋の方はちょっとヤバイんじゃない?
…なんて心配は無用だったね。
「…サボる口実にはいいな」
「あのね、幸洋。そういうことじゃないでしょ」
「だって、仕方がないだろ? うちは飲食店なんだから、ペット持込不可だしな」
ペット…あのねぇ〜

「気にするな。折角の猫同士だ。
今日は思いっきり外でデートなんてのもいいかもしれないな」
塀伝いに外を歩くとか、屋根で日向ぼっことか。
猫ならではできることをやるかな?なんて楽しそう。
尤も――
「それとも、このままここでいちゃつくって言うのでも
俺は構わないぞ。どうする?」
「外に行きたい! 幸洋と遊びに行きたい!」
だって、別に隠すつもりはないけど、
やっぱり男同士って言うのは人目を気にしちゃうから。
ネコの今くらい、何の気兼ねもなくデートしたいよ。

「そっか、そりゃあ残念。俺は一日こもりっきりの方が嬉しいんだが?」
とニヤリと口を舐める舌が怪しいことこの上ない。
「じゃ、とりあえず出かけて、夜は思いっきり啼かせてやるからな♪」
「…///」

Fin…?


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KatzenGaruten 様
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