朝起きたら・・・―――なんて作り話の中じゃ珍しくもないだろうけど
実際、こんなことが起きたら驚くに決まってる。

僕と、天さんが動物になってた・・・・・・なんて。

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「呉羽・・・？！」
「・・・・・・天さん？！」

天の前には、真っ白な凛としたネコがいる。
「呉羽・・・ネコになっても変わらないな。美人だ」
臆面もなく、そう言われて頬が赤くなるような気がする。
呉羽の目の前にいるのは、限りなく黒に近い灰色の毛並みを持つネコ。
「天さんこそ・・・かっこいい・・・」
呉羽は恥ずかしくて小さな声でしか告げられなかったが、天には
ちゃんと届いたようだ。
「嬉しいよ、呉羽」
ふたり・・・いや２匹は頬を寄せ合って微笑んだ。

「それにしても、なんでネコなんでしょう？」
「さあ。でもよかったな」
「え？」
「ネコ同士じゃなかったら、例えば犬とネコだったら・・・抱き合えないから」
「やだ、天さんったら・・・」

やだ、と言いながらも呉羽は嫌がっていない。
じゃれ合うように転がりながら、２匹はいちゃついた。