009 大人になったアリス (龍也×克己)


白いシーツを掴んで、克己の身体が歓喜に震えていた。
「やぁっ…あ、んんっ…」
獣の姿勢を取らされ、腰だけを高く突き上げるように龍也の前に晒す。
しかし、その屈辱も、羞恥も、与えられる快楽のためならいくらでも我慢ができる。
与えてくれるのが ―― 龍也であれば、尚のこと。
「も…だめ、お…ねがいっ…!」
ピチャピチャと、あられもないトコロを舐められ、既にソコは龍也を欲しがってピクピクと緩んでいる。
しかし、
「もう少し我慢しろ。ちゃんと解しておかないと、あとで厄介だからな」
「あ…ん、でもっ…」
「先にイクなよ? イったら…お仕置きだぞ」
「そんなっ…ああっ…!」
少し伸びた髪を振り乱し、漏れる嬌声をシーツに抑えるように身を委ねる。
普段は、あどけなくてとても年上とは思えないほどに子供っぽい。
可憐で、清純で、まるで天使のように幼い仕草。
それが、夜になれば一変して ―― こちらを貪るように快楽に身を委ねる。
妖艶で、淫乱で、とても昼間とは同じ人間に見えないほどの乱れ様。
全てを曝け出す羞恥も、男に組敷かられる屈辱も、今の克己には全くない。
ただ、得られる快楽に溺れることだけを望んでいる。
「お願いっ…もう、欲しいの…来て、龍也ぁ…」
黒い瞳を涙で潤ませ、縋りつくように訴える。
「そんなに欲しいか?」
「うん…お願い…イジワルしないでよ…」
「…じゃあ、オレを本気にしてみろ」
そう呟くと、龍也は克己の体から離れ、横にゴロリと横たわった。
「オレの顔の前にまたがってみな」
「え? そんな…」
サッと克己の頬が朱に染まる。流石にそれはためらいがあるのだろう。
だが、龍也はそう言ったきり、自分からは動こうとはしない。
既に火のついた身体は、このままでは気が狂いそうなほど龍也を欲しがっている。
だから ――
「うっ…や、恥ずかしい…よ」
許しを請うように、でも言われたとおりにまたがると、克己は目前で猛っている龍也の凶器を、愛惜しげに口に含んだ。



夜の世界に落ちたアリスが、命令されるままに乱れていく。
身体は大人。心は子供。
このままどこまでも、夜の世界へ ―― 。




Fin.


2003.12.04.

Melty Dark