014 どうぞご勝手に (尚樹×和行)


「あ…はぁっ…」
ゾクゾクするほどの快感が背中を走って、尚樹先輩の背中に取りすがる。
「ああっ…」
「…外に聞こえるぞ? カズ…」
フッと余裕の笑みを向けられ ―― ったく、何でこの人はこうも余裕なわけ?
「だって…無理…我慢できない…っ」
「…仕方が無いな」
そういうと尚樹先輩は俺の口を塞ぐように激しいKissをして…
「動くぞ?」
「え…あ、はぁっ! ん…っ!」
貪るようなKissに激しく突き上げられる楔。
悲鳴に近い嬌声がさえあげさせてもらえなくて、快感と苦痛で気が狂う。
「んんっ! ん…!」
「可愛いな、カズ。いいよ、イきな」
「はぁ…うっ ―― !」



ぐったりと力なく生徒会室のソファーに寝そべる俺を見下ろしながら、尚樹先輩はさっさと身支度を整える。
その顔は ―― もういつもの冷静な顔。
「大丈夫か?」
「…ん、だめ。立てない…」
「仕方がないやつだな」
クスッと笑って上着をかけてくれて。コトのあとは優しいから好きだな、尚樹先輩って。
「担任には俺から言っておいてやる。ちょっと待ってろ」
そういうと何事もなかったような平静さで、生徒会室をあとにした。
残された俺はといえば ―― マジに動くのも面倒。何とかシャツを着てズボンは穿いたけど、ボタンを留めるのもメンドクサイ。
「ま、いいか。もう授業始まってるから、誰も来ないだろうし…」



どのくらいうとうとしてたのか…何か物音がしたような気がして目を覚ました。
「あの、すみません…」
消え入りそうな細い声。俺はそっと顔を覗かせた。
「だれ? なんか用?」
そこにいたのは ―― 今年の新1年生。えっとこの顔は見覚えがあるんだけど…?
「あ、あの…生徒会長は…」
「あん? 尚樹センパイに用か? 残念、可愛い子ちゃんだから、俺のファンかと思ったのに…」
なんだ、尚樹先輩のファンか?
俺はちょっとイジワルしたくなって、その子の腰に手を回した。
「あんな極悪人より、絶対俺のほうが良いぜ? どう?」
「え? あ、あの…どうって…」
ビックリして慌てる姿に、何だ、随分シャイだなと苦笑が零れる。
と、そんな時、
「カズ、こんなところでナンパしてるんじゃない」
気がつくと ―― そこには「生徒会長」の顔をした尚樹先輩。
「ちぇっ…いっつも、いいところで邪魔すんだから…」
「新学期早々、サボってるなよ。生徒会役員が出席日数が足りなくて留年なんて、笑えないぞ」
よく言うよ。サボらせるようなことをしたのは誰だって?
ま、いいか。先輩とは単なる「SEX FRIEND」。
新しい子を連れ込もうと、俺に文句を言う筋合いはないもんね。



「判ってるって、しょうがないなぁ〜。あ、こちら、尚樹センパイのお客さん。なんか話があるみたいですよ」
何の話かは知らないけど、ま、巧くやってくださいよ。
どうぞ、ご勝手に♪




Fin.


2004.02.12.

Melty Dark