青14:ショルダーバック(獏良&闇バクラ)


朝 ―― ベッドから起き上がってカーテンを開けると、外は澄み渡る青空が広がっていた。
僕は大きく伸びをすると、彼に朝の挨拶をする。
「おはよう。今日もいいお天気だね」
『…らしいな。今日も学校か?』
「うん、今日は体育があるんだ。いいお天気だから、外でできるね」
『ケッ、めんどくせぇな。オレ様は寝てるぞ』
「え〜折角だから代わって貰おうと思ってたのに?」
『冗談じゃねぇ。それよりさっさとメシにしろ』
と言うなりふわりとした浮遊感が一瞬過ぎり、僕の身体を入れ替わった彼が同じように伸びをした。
「さて…と、とりあえずメシを作るか」
鬱陶しそうにパジャマの上着を脱ぎ捨てて、彼に代わった僕がキッチンへと向かう。



今朝の献立はトーストにハムエッグとサラダ、それからホットミルク。
相変わらず手際が良くて、僕にとっては一瞬のうちにテーブルに並べられている。
「いっただきま〜す」
両手を合わせて挨拶すると、作った本人はいつも同じ台詞だ。
『いいな、残さず食え。とにかくアンタは体力を少しつけろ』
「はいはい、判ってるよ」
『ああ、それから…ゴミは出しておいたぜ。それと、食った後の食器は流しにつけておけ。帰ったら洗うから。じゃ、オレ様はもう一眠りすっから』
「はいはい、お休み」
半分いい加減に聞こえるかもしれないけど、ホントは感謝してるんだよ?
ま、そんなこと、言わなくても判ってるかもしれないけど…。



食べ終わった食器を流しにつけて、急いで服を着替えて学校にいく支度をする。
着替えるときに外した千年リングと、僕が作ったモンスターワールドのジオラマがチラリと視界に入って ―― 結局、僕はリングをバッグの中に詰め込んだ。
「寝てるっていってたけど…ま、いいか」
遊戯君たちも大事な友達だけど、僕にとってはキミも同じ。
みんなにとっては邪悪な存在かもしれないけど、僕にとってはかけがえの無い友達に代わりは無いもんね。
「ま、こんなコト、口に出してはいえないけどさ」
バッグを肩からかけて靴を履く。そして、
「じゃ、行って来ま〜す!」






Fin.

ショルダーバックって…最近見かけない気がするんですけど…
思いついたのは王国へのお出かけのときのカバン。
でもあれってリュックだったし…。
でもカバンの中身が千年リングってイメージから離れなかったわけで
ちょっと無理やりになってきましたね。

2003.10.27.

Pearl Box