黄06:小さくなった鉛筆(モクバ&瀬人)


いつものように学校が終わるとそのままKCの社長室に直行して、特に用がない限りは仕事をする兄サマを見ながら宿題をするのがオレの日課。
ちなみに ―― 本日の宿題は漢字のプリント。
B4サイズの紙にマス目が書かれて、そこを熟語20個で埋めるというモノ。
はっきり言って…面倒臭い。
大体、パソコンがこれだけ普及した世の中だぜぃ? 漢字なんか日本語変換ソフトが幾らでも探してきてくれるから、わざわざ書いたりしなくても…。
しかもオレのクラスの担任は小煩いほどの鉛筆推進派で、書写や漢字練習には鉛筆(しかも2B)を使えと言い張るものだから…。
「あ、これ以上は削れないぜぃ」
これでも割と手先は器用なオレだから、今まで丁寧にナイフで鉛筆を削ってきたけど、流石にこれ以上は削れなくなって、さてどうしようかと。
そんなオレに気がついて、兄サマは仕事の手をインターフォンに伸ばしかけた。
「新しい鉛筆を持ってこさせるか?」
この場合、パシリに使われるのは間違いなく磯野だろう。
そんなことを考えながら、
「ううん、大丈夫だぜぃ。ちゃんと持ってるから」
そう言ってランドセルの中から取り出したのは ―― 今年のKCステーショナリー・ニューバージョンの一つである、鉛筆1ダースセット。
その名も、「DMシリーズ第○弾、ブルーアイズ×3編」。
水色のバックにブルーアイズ3体が描かれた鉛筆は、この春入学を迎える新1年生には絶大な人気を誇っている。
勿論鉛筆だけでなく、他にも筆箱や様々な文房具(のりとかはさみとか)もあって、勿論オレも愛用だ。
ちなみに今年のDMシリーズには「魔術師編」というのもあって、ブラックマジシャンとブラックマジシャンガールが意匠されているバージョンもある。
クラスでの人気は半々というところだけど、勿論オレはブルーアイズ派だぜぃ!



ただ、ブルーアイズ編の問題は…
「ん? モクバ。まだその鉛筆は削れるのではないか?」
使えなくなった鉛筆を筆箱に戻そうとすると、不意に兄サマが声をかけた。
うん、そう思うよね、普通は。だってまだ半分近くしか使ってないんだもん。
でも…
「うん、でもこれ以上削ると、ブルーアイズが消えちゃうんだぜぃ?」
兄サマが心から愛してやまないブルーアイズ×3。その勇姿は、鉛筆のほぼ半分に渡って描かれているから、当然短くなれば削られてしまうのは当然のこと。
しかし、
「そうか、それならば仕方が無いな」



…やっぱりそう来る? 流石、兄サマだぜぃ!






Fin.

うちの王子のときは、道具箱だけベイ○レードでしたが、あとは全部遊戯王でそろえました。
ちなみに当時はマリク編。
中央バックにマリクをでーんとおいて、あとは神3体と社長&闇様。
ううん、いいです〜という感じでした。
今年はそれがドーマ編らしいのですが、流石にお嬢では嫌だと言われて…リトルマー○イドに決定。
ま、ダーツのアップは欲しいとも思わないけどね。

2004.03.16.

Silverry moon light