黄12:常夏(モクバ&瀬人)


目の前に広がるのは白い砂浜 ―― 勿論、プライベートビーチだから誰もいない。
そして更に広がるその先は、兄サマの目の色と同じ蒼い海。
水平線の彼方は空と溶け合って一つになっている ―― 。



「兄サマ、泳がないの?」
ビーチの一角、パラソルの下にいる兄サマは、半ズボンから覗く見事な脚線美を軽く組んで、シートにもたれて本を読んでいた。
「ああ、この日差しではな。流石に日焼けして、あとで痛い目にあいそうだ」
「ふ〜ん、ま、そうだね。じゃ、オレはちょっと泳いでくるぜぃ!」
「ああ、気をつけろよ」
一応、兄サマも水着を着ているのは知ってるけど、確かに兄サマの白い肌が日焼けなんかしたら大変だぜぃ。
ま。今は白いパーカーを着てるし、そもそもパラソルの下だから大丈夫だとは思うけど。
時折、振り向いて確認すれば、兄サマは軽く手を挙げて合図をしてくれる。
ここで見ているから大丈夫。楽しんでおいでと言っているような笑顔は、流石にマンハッタンではあまり見かけられないから。
この休暇の間だけは、オンパレードだぜぃ!



テーブルにはフルーツをふんだんに使ったトロピカルドリンク。
流石にデュエルディスクもジェラルミンケースも摩天楼に置いてきたから、やることなんて本当にないんだけど。
ただこうして、時をすごすためだけにいるっていうのも良いもんだぜぃ。
(この別荘、買い取って正解だったな♪)
常夏の土地なんて、兄サマには似合わないかもって思ったけど。
でも、ゆっくりできる場所だから良いかもしれない。
勿論、誰にも邪魔なんかさせないぜぃ!






Fin.

11話がめちゃ暗だった反動か、12話は明るいです。
常夏のマイアミでバカンス…浅葱も行ってみたい〜。
んでもって、ルアーフィッシングしたい〜。
(↑うまく(?)するとワニもつれるとか?)

2004.04.20.

Silverry moon light