Fugitive 48


その後、3回ほど洗浄させられると、流石にどんなに排泄感を与えられても吐き出すものはなくなっていた。
「やっ…ああっ…」
すっかり解された蕾は熟れた果実のように綻んでおり、注入されたグリセリンが透明なままでゆっくりと滴り流れている。
それを磯部は救い上げるように指を這わせ、そのまま幸斗の蕾に潜り込ませると、ぐるりと内壁を抉ってから思い切り引き抜いた。
―― ちゅぷっ…
「ああっ…!」
耳を塞ぎたくなるような卑猥な水音だが、そんな羞恥よりも抜かれたことへの喪失感の方が遥かに大きかった。
そんな幸斗の状態を満足気に見下ろすと、磯部は天井からの鎖を緩めた。
「あっ…ん…」
そのまま糸の切れたマリオネットのように幸斗は倒れこみ、切な気な息を吐く。
それを、
「中は綺麗になったようだね。じゃあ、仕上げをしておこうか」
そう言って福島と野村に命じて幸斗を獣のように四つ這いにさせると、磯部は部屋に設置されていたシャワーで幸斗の身体を洗い始めた。
「あっ…ん…」
流石に温度は適温である。
それに部屋自体も適温に制御されているから寒さなど感じることはないはずなのだが、わざと水圧を下げたシャワーと微妙な強弱で肌を滑る磯部の手の動きに、ゾクゾクとしたなんともいえない感覚が幸斗を襲っていた。
特に、
「やっ…やだっ…そこは…あっ…」
両腕はまだ拘束されたままだから身体を支えることもできなくて、幸斗は腰だけを高く突き出したように這わされていた。
勿論、解された蕾は隠す術もないところで。
その蕾を指で押し広げて特に念入りに洗われると、幸斗は羞恥だけではない感情で泣き叫んだ。
「や…めてぇ…ねが…いっ! もう…ゆるし…」
当然そんな願いなど叶えてもらえるはずがないことは良く判っている。
いや、それどころか ――
シャワーの水滴で誤魔化されているとはいえ、既に幸斗の雄茎はその鎌首を立ち上げて、先端から滲み出る透明な液で濡れそぼっていた。
どんなに心は嫌がっても、馴らされた身体は快楽を求めずにはいられない。
そしてそれを ―― 気が付かない、磯部でもなかった。
「もう、いや? おかしいねぇ、幸斗君のココはこんなになっているのに?」
そう言って幸斗の雄茎を撫でると、
「いやぁっ!」
まるで飛び跳ねるように幸斗の体身体が震え上がり、そのまま磯部の手に白濁を放ってしまった。
しかし、中途半端にイかされたため、まだ幸斗の雄茎はゆるゆると立ち上がったままだ。
「困った子だね。あれほど粗相はいけないって言っておいたのに」
そう言って突っ伏した幸斗の目の前に汚れた自分の手を突きつけて、磯部は幸斗が吐き出した白濁を垂らした。
どろりとした液体は、磯部の指からゆっくりと幸斗の口元へと滴っていく。
「ククク…どうやら、禁欲が長かったのかな? 随分と濃いミルクだね」
「やっ…」
身体にはまだ甘い疼きが残っている。
だが、それが自分の吐き出したものだということも判っていて、幸斗は嫌がって逃げようとした。
しかし、
「さぁ、どうするんだったかな? ご主人様のお許しもなく粗相をしたときは…前にも教えてあげたよね?」
そう言われると信じられないように磯部を見上げて ―― だが、すぐに観念して、幸斗はゆっくりと身体を起こした。
そして、
―― ぴちゃっ…
カクカクと震えながら、目には一杯の涙を浮かべながら、ゆっくりと磯部の汚れた手に顔を近づけ、指を舐めた。
逆らっても仕方がないことは嫌というほどに判っている。
寧ろこの状況から早く助かりたければ、大人しく言うことを聞くのが一番だということも。
だから、まるで幼い子供が大きなキャンデーを舐めるように、幸斗は舌で己の吐き出したモノを舐め取っていった。
「ククク…ああ、いい子だね、幸斗君は。そう、ほら、こっちも舐めて綺麗にしないとね。そう、とっても上手だよ」
パッと見は清純そうな印象しかない幸斗である。
それだけに、そうやって磯部に命じられるまま舌で舐める姿は息を呑むほどに淫猥で。
じっと見ていた福島と野村も、ごくりと唾を飲み込むと無意識に硬くなった己に手を伸ばそうとした。
しかし、
「そうそう、忘れるところだった。粗相をしたお仕置きもしないといけなかったねぇ」
そういうと、磯部はポケットから取り出した小さな小瓶の中身を幸斗の双丘に垂らし、熟れた蕾に念入りに塗りこんでいった。






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初出:2007.02.12.
改訂:2014.11.03.

Studio Blue Moon