Amnesty 19


そっと抱き上げれば恥ずかしげに顔を胸に押し付けながらも、幸斗は大人しく裕司に身を任せていた。
僅かに震えている様子が初々しいが ―― 事実、こんなに優しくベッドに誘われたことなどなかったのだろう。
実際今までならベッドに上がる前に自分で服を脱ぎ、足を開いて待っていろとさえ言われたこともあったものだ。
それどころか自分の指で慣らしておけとか、中には器具を使って達して見せろと言われたこともある。
自分を慰めさながら相手のモノを口で育てるのも当然の手順のようなもので、幸斗にとってSEXは己の身体で奉仕するものであったから、こんなふうに愛撫をただ受けるなんて事はありえなかった。
だから、こんな風に優しく愛されるとどうしていいか判らなくて、
「いいんだ、幸斗。全部俺に預けろ。お前はただ素直に感じていればいい」
「はい…え、あ…っ!」
言われたとおりに身を預ければ、信じられないくらいに身体は敏感に反応していた。
薬を使われて無理やり感じさせられたこともあるが、そのときだってこんなに甘い疼きは感じたことはなかった。
それを幸斗には自分が淫乱なせいだと思ってしまって、死にたいくらいの羞恥に身を震わせた。
だが裕司の方はそんなこととは思いもよらず、
「怖がらなくていい。幸斗の嫌がることはしないから」
そういって宥めると、幸斗は首を振った。
「いえ…裕司さんにならどんなことだって…。でも、僕の身体、淫乱だから…」
「淫乱? 馬鹿だな、幸斗。それは違う」
腰の辺りに感じる幸斗のモノが、すでに硬く立ち上がっていることには気がついていた。
今までの暴力的なSEXのせいでトラウマになってはいないかと危惧していた裕司にとってはほっとしていたくらいなのに、幸斗がそんな風に思っていたというのなら、すぐに訂正してやらなくてはいけないことだ。
「これは幸斗の身体が俺を受け入れようとしてくれているんだ。俺を感じてくれているんだろう? 嬉しいよ、幸斗」
「僕が裕司さんを…? 本当に?」
「ああ、可愛い幸斗。もっともっと俺を感じてくれ」
「ぁあっ…裕司さんっ!」
シャツを脱がせてあらわになった胸の飾りを口に含めば、幸斗は背を弓なりにして仰け反った。
吸い付くような肌に指を這わせれば、それだけでビクビクと震える身体も愛おしい。
自然と燻らせる腰の動きも隠微だが、それ以上に漏れる声を恥らっているらしく、幸斗は自分の指を噛んでなんとか声を抑えようとしていた。
それを、やんわりと外させると、裕司は甘い声で幸斗に囁いた。
「声を抑えることはない。いや、もっと俺を呼んでくれ、幸斗」
「ああっ…裕司…さんっ…ゆ…じさんっ!」
「イきたかったらイッていい。俺が何度でもイかせてやろう」
すーっとわき腹から指を滑らせて薄い茂みを掻き分ければ、幸斗のモノはすでに硬く屹立させながら蜜を滴らせていた。
自分と比べたら遥かに小さくて可愛らしくて、鈴口から蜜を零している様子はまるですすり泣いているようだ。
「ああ、こんなに零して…勿体無いな」
「ひっ…いやぁっ!」
本気で勿体無くてペロリと舐め上げて口に含めば、たったそれだけで幸斗は達してしまった。
「ああーっ、…んっ…」
どうやらあまりの快感に襲われたために裕司の口で達してしまったことにも気付かず、それどころか暫く茫然自失となっている様子だ。
(本当に感じやすいな。これだけ感じやすけりゃ…確かに変態爺どもには格好の獲物だぜ)
尤も、もう誰にも触れさせるつもりなど微塵もないが。
そうして幸斗の蜜を飲み干すと裕司は幸斗の足を開かせて間に入り、その奥にある蕾をゆっくりと舐め始めた。
どちらかといえばうつ伏せにさせたほうが身体への負担は少ないところだが、やはり最初は幸斗の顔を見ていたい。
「ちょっときついかもしれないが…我慢しろよ」
そうして丹念に舐め解し始めるとその甘い疼きに引き戻されて、幸斗もゆっくりと意識を戻してきた。
そうなると、途端に自分が恥ずかしい格好をしていることに気がついて。
ましてや、そんなところを舐められているなど、信じられなかった。
「やっ…駄目ですっ、裕司…さ…!」
「もうちょっと我慢しろ。まだ解れてないからな」
「そんなことっ…裕司さんがしなくても、僕が…っ」
「勿体無いこと言うなよ。全部俺がやってやりたいんだから」
舌を差し入れて皺の一つ一つをほぐす様に舐め上げつつその合間に指を忍ばせてぐるりとかき混ぜれば、幸斗は甘い悲鳴を上げながら侵入する指を離すまいときつく締め上げてきた。
特に幸斗のイイトコロを探り当ててからはそれが顕著で、幸斗は泣きながら必死に訴えた。
「も…だめで…す…っ。はぁっ…も…欲しっ…ゆ…じさ、んっ!」
「そんなに強請られたら…俺も我慢できないな」






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初出:2009.07.19.
改訂:2014.11.08.

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