Pussy Cats 07


「え? あ…っ…何? なんか…」
「ほう、随分と効き目が速いな」
押さえつけていた手を外してやると、祐介は何かを耐えるようにうつ伏せになってシーツを掴んだ。
白い肌がうっすらとピンクに染まり、自然と足がシーツを蹴る。
「あっ…やだ、先輩っ! 何か、ヘン…」
「ほう、どうヘンなんだ?」
「身体が…熱い…」
「例えば、ココとか?」
そっと体の下に手を入れて、幾分自分よりも小さい祐介のモノに触れれば ―― ソレは既に硬く持ち上がり、先端から透明な液を滲ませつつあった。
「やぁっ!」
「おっと、まだイクなよ?」
見ていても脈打つのが判るほどに張り詰めている雄茎の根本を片手で握ったまま、尚樹は更にサイドテーブルから取り出したリングを装着させると、漸く手を離した。
その仕打ちに流石に祐介も驚いて、
「あっ…や、やだっ…! 外してっ!」
「それじゃあ、お仕置きにならないだろ?」
ニヤリとほくそ笑む尚樹の表情は意地悪そのもので、だが既に祐介の方はそんなことに構っていられる状態ではなかった。
自然に動いてしまう下半身が、張り詰めた雄茎をシーツに擦りつけるようにして刺激を欲しがっており、そのくせ拘束されている状態ではイクことなど出来はしない。
「やだっ…お願い…ですっ! 外してっ…」
「もうちょっと我慢しろ。イイコだからな」
そういうと、祐介の細い腰だけ高く突き上げるように持ち上げて、晒された秘部に舌を這わせる。
既に前は張り詰めて透明な液を先端から滲ませているが、流石に後ろは硬く閉じられたままだ。
だからそれを丹念に舐めると、そのゆるい刺激だけでも祐介は気が狂いそうになっていた。
「ひゃぁっ…あっ…!」
円を描くように外側からじっくりと舌でつつき、時折柔らかい双丘に甘噛みをする。
そのたびに祐介の背中はしなるように反り返り、頬を伝う涙がシーツに染みを作っていく。
当然、リングでせき止められた雄茎からも糸を引くように先走りの液が滴り、まるで誘うように腰をくゆらせていた。
シーツを掴んでいる指は、余りの力みように白く血の気を失っている。
そして、喘ぎ声しか出せなくなった口からも、飲み込めない唾液が滴り始め、もはや何も考えられないようだ。
「先輩っ…お願い…も、許して…何でもする…からっ!」
「先輩じゃないだろ? ベッドではどう呼ぶんだっけな?」
「あ…尚樹…さんっ!」
「イイコだな、祐介」
いつもならそう呼ぶのも恥らうところだが、既に追いつめられた祐介にそんな余裕は皆無である。
身体の奥から熱がじわじわと襲い、爆発寸前まで高められた思いは無理やりせき止められて祐介の精神を食いちぎっている。
柔らかい双丘を押し広げて晒された秘部も尚樹の丹念な愛撫でほころび、クチュリと卑猥な水音をたてて犯されるのを待ち望んでいた。
「さて、そろそろいいか?」
緩んだ秘部に指を1本入れれば、既に何の抵抗もなく飲み込んでヒクヒクと欲しがって見せる。
更に2本、3本目も難なく飲み込み、熱く迎える内部でバラバラに動かせば祐介は気が狂ったようにのたうち回った。
「やっ、やだっ! いやぁっー!」
泣きじゃくって身悶える祐介の姿はそれだけでも絶品である。
「お願いっ! 外して…イキたいのっ! ね、何でもするから、もう…許してっ!」
尚樹の犯す指を飲み込むソコは、まるで食いちぎらんばかりの収縮を繰り返していた。
時折気まぐれに最も感じる部分をつついたり、まるでそんなところは知らないと言うように逸らしたり、翻弄されるがままに狂っていく姿は尚樹の思うがままである。
「ねぇっ…尚樹さんっ!」
荒い吐息と喘ぎ声の合間に、何とか息を合わせて強請り始める。
そんな小悪魔的な仕草も無意識の防衛本能で、だからこそ限界が近いことは見て取れた。
「何でもする ―― か?」
「うんっ…何でも…!」
この熱を解放してくれるなら何でも ―― と、祐介がカクカクと頷く。
それを嬉しそうに見ると、尚樹はちゅぷっと音を立てて祐介の秘部から指を引き抜いた。
「じゃあ、俺の上に跨って…そう、欲しいモノを自分で咥えこんでみろ」
「えっ? あ…やだっ、恥ずかしい…」
「何だ? 欲しかったんじゃないのか?」
ごろりと祐介のとなりに身を横たえて、まるで他人事のようにそう言えば、祐介は羞恥に身を震わせながらも逆らえない事は判っていた。
「言う事を聞いたら…外してくれる?」
「少なくとも、言われた通りにしなければ ―― このままだな」
それこそ一晩でも二晩でもなと言われれば ―― 観念せざるを得ない。
ゆっくりと尚樹の上に跨って、胸に手をついて。
そしておずおずと腰を降ろして ――
「あっ…ああっ…ん…!」
じゅぶっと音を立てるようにゆっくりと尚樹のモノを祐介の秘部が飲み込んで。
支配される快楽と犯される羞恥に祐介の身体がビクンと跳ね上がる。
「ほら、入れただけじゃ物足りないだろ? 自分で動いてみな?」
「やっ…できないっ」
「じゃあ、このままだぞ? いいのか?」
そう言ってリングでせき止められた先端に爪を立てれば、
「いやぁっ!」
否応がなしに身体が跳ね上がり、尚樹のモノをくわえ込んだ部分が更に深く抉られた。
「やぁっ…あっ、あっ…」
一度動き始めれば、もはやその後は羞恥も何も残っていない。
しかも祐介が自ら動いているようで、実は半ばは尚樹が下から突き上げているから、気が狂うような快感に祐介の口からは言葉にならない嬌声が、悲鳴となってほとばしっていた。
「やだっ…も、ダメ…おかしくなるっ!」
「良いぞ、幾らでも狂え。全部俺が受止めてやる」
「やっ…尚樹…さっ…」
(一度、イかしてやるか?)
支えるように胸についた腕も既に震えて力が入らなくて、流石に限界は目に見えているから ――
「来いよ、祐介。お前の全てを俺にくれ」
そう囁くと ―― 尚樹は枷となっていたリングを外した。






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初出:2004.07.19.
改訂:2014.09.28.

Silverry moon light